残置物のエアコン処分は?
賃貸人でも自己所有で自らエアコンを購入し取付し部屋で使用している人もいます。退去時はそのままエアコンを撤去せずに大家から取り外しをして退去しなくても良いと言われることもあります。大家さんにとっては経費をかけず高年式エアコンをそのまま使える!
「前の入居者が置いていったエアコン、どう処分すればいい?」
「売買物件に残っている古いエアコンは、誰が費用を負担して撤去するの?
賃貸物件のオーナー様や不動産管理者様、または物件を相続・購入された方にとって、残置されたエアコンの処分は頭の痛い問題です。
勝手に処分すると後々トラブルに発展する可能性もあり、法律(家電リサイクル法)に基づいた適切な手順を踏む必要があります。
この記事では、残置物エアコンの処分に関するあらゆる疑問を解決します。所有権の考え方から、具体的な処分方法、費用相場、そして悪質な業者を避けるためのポイントまで網羅的に解説します。
1.まず確認!そのエアコン、勝手に処分してはいけません
残置物エアコンの処分で最も重要なのが「所有権の確認」です。たとえご自身の所有する物件にあったとしても、エアコンの所有権が前の入居者や売主にある場合、無断で処分すると損害賠償を請求されるリスクがあります。
所有権は誰にあるのか?
・賃貸物件の場合:
・前の入居者が設置したエアコン:所有権は前の入居者にあります。まずは連絡を取り、引き取りを依頼するのが基本です。連絡がつかない、または引き取りを拒否された場合は、契約書の内容に基づき、法的な手続き(所有権放棄の確認など)を経てから処分する必要があります。
・オーナーが設置した設備エアコン:所有権はオーナーにあります。入居者が勝手に処分することはできません。
・売買物件の場合:
・不動産売買契約書に「付帯設備表」という書類があります。ここにエアコンが「残置物」として記載されているか、「設備」として引き渡されるかが明記されています。
・「残置物」と明記:所有権は放棄されていると」解釈でき、買主が処分します。
・記載がない不明確:売主と買主、どちらが処分費用を負担するのか協議が必要です。トラブルを避けるため、契約時に明確にしておくことが重要です。
【ポイント】
トラブル防止のため、処分の前に必ず契約書を確認し、必要であれば「残置物の所有権は放棄し、処分については一切の異議を申し立てません」といった内容の念書を当事者間で交わしておくと安心です。
2.費用は誰が負担する?ケース別の考え方
処分費用をだれが負担するかは、そのエアコンが「設備」なのか「残置物」なのかによって変わります。
《賃貸物件》
貸主(オーナー)が負担するのが一般的。ただし、入居者入れ替えのタイミングで原状回復義務の一環として前の入居者に請求できる場合もあります。
《売買物件》
売買契約書の内容によりますが、買主が負担するケースが多いです。契約時に「売主の責任において撤去する」という特約があれば、売主負担となります。
《相続物件》
物件を相続した相続人が負担します。
3.残置物エアコンの具体的な処分方法5選
所有権と費用負担の問題がクリアになったら、いよいよ具体的な処分方法を検討します。
エアコンは「家電リサイクル法」の対象品目のため、自治体の粗大ゴミとしては収集してもらえません。
方法1:指定引取場所に自分で持ち込む
最も安く処分できる可能性がある方法です。
1,郵便局で「家電リサイクル券」を購入します。
2,取り外したエアコンとリサイクル券を、指定された引取場所へ自分で運びます。
・費用相場:リサイクル料金(990円~)
・メリット:費用が安い
・デメリット:エアコンの取り外しを自分で行うか、別途業者に依頼する必要がある。運搬する手間と車両が必要。
方法2:家電量販店に引き取りを依頼する
新しいエアコンの購入と同時に引き取ってもらうか、処分のみを依頼する方法です。
・費用相場:リサイクル料金+収集運搬料金(2000円~5000円程度)
・メリット:大手なので安心して任せられる・
・デメリット:処分のみの依頼だと料金が割高になる場合がある。繁忙期は対応まで時間がかかることがある。
方法3:自治体が案内する方法で処分する
自治体によっては、提携する業者などを案内してくれる場合があります。
お住まいの市区町村のホームページや窓口で確認してみましょう。
・費用相場:自治体や提携業者により異なる。
・メリット:自治体の紹介なので安心感がある。
・デメリット:自治体自体が直接回収するわけではない。
方法4:不用品回収業者に依頼する
最もスピーデイで手間がかからない方法です。他の残置物もまとめて処分したい場合に特に便利です。
・費用相場:取り外し工事費+リサイクル料金+収集運搬料(8000円~15000円程度)
・メリット:取り外しから運搬まで全て任せられる。即日対応可能な業者も多い。他の不用品も一緒に改修してもらえる。
・デメリット:費用が他の方法よりも高くなる傾向がある。業者選びを慎重に行う必要がある。
方法5:リサイクルショップや買取業者に売却する
製造から5年以内の新しいモデルで、状態が良ければ買い取ってもらえる可能性があります。
・費用相場:無料(売却できれば収入になる)
・メリット:処分費用がかからず、逆にお金になる可能性がある。
・デメリット:製造年が古い、汚れや故障がある場合は買取不可。取り外し費用は自己負担になる場合が多い。
4.悪質業者に注意!信頼できる不用品回収業者の選び方
東京や千葉県内で手軽さから不用品回収業者に依頼するケースは多いですが、残念ながら一部に悪質な業者も存在します。
高額請求や不法投棄などのトラブルに巻き込まれないために、以下の点を確認しましょう。
・「一般廃棄物収集運搬業許可」の有無を確認する
家庭から出る不用品を回収するには、自治体の「一般廃棄物収集運搬業許可」が必要です。
無許可の業者は違法です。会社のウエブサイトやチラシで許可番号を確認しましょう。
・料金体系が明確か
「作業一式○○円」だけでなく、「取り外し工事費」「リサイクル料金」「運搬費」などの内訳を明確に提示してくれる業者を選びましょう。
・見積もり後の追加料金がないか
必ず作業前に確定した見積もりを提示してもらい、追加料金が発生する可能性がないか書面で確認することが重要です。
・「無料回収」を謳う業者には要注意
トラックで巡回し、「無料で回収します」と宣伝している業者には特に注意が必要です。積み込んだ後に高額な費用を請求されたり、回収した家電を不法投棄したりするケースが報告されています。
まとめ
東京都内・千葉県内での残置物エアコンの処分は、一見面倒に感じますが、手順を追って進めれば難しいことはありません。
1、所有権の確認:まずは契約書等で誰の持ち物かを確認する。
2、費用負担の協議:誰が費用を支払うのかを明確にする。
3、適切な処分方法の選択:状況や予算に合わせて5つの方法から最適なものを選ぶ。
4信頼できる業者の選定:業者に依頼する場合は、許認可や料金体系をしっかり確認する。
これらのポイントを押さえ、トラブルなくスムーズにエアコンを処分しましょう。
もしご自身での判断が難しい場合や他の残置物もまとめて片付けたい場合は、複数の信頼できる不用品回収業者や、片付け業者に見積もりを依頼し、相談してみることをお勧めします。
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